大規模修繕工事は、実際の工事例では、第1回目が12~15年、第2回目が30年前後が多いようです。 必ずしも10年に1回必要というのではなく、建物の劣化具合によって異なります。ただし、どこの部位をどの程度のコストをかけて、どこまで改修するかは、 大規模修繕工事前の建物劣化診断を実施することをお勧めします。
また、築30年以上のマンションの多くは、修繕積立金が不足しております。大規模修繕工事を行う余裕のない管理組合が多いのも、事実です。 修繕積立金の資金不足についても、一時金の拠出、借入、工事時期の見直し等により、解決することが出来ます。 重要なことは、長期修繕計画の見直しを定期的に行い、建物点検を随時、実施していくことだと思います。 詳細については、国土交通省のマンション管理サイトをご参照ください。 以下、参考になる大規模修繕工事の概要を記載します。
特長 | 将来にわたり定額負担として設定するため、将来の増額を組み込んでおらず、安定的な修繕積立金の積立てができる。 |
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留意点 | 修繕資金需要に関係なく平均額の積立金を徴収するため、段階増額積立方式に比べ、多額の資金を管理する状況が生じる。 均等積立方式であっても、その後の長期修繕計画の見直しにより増額が必要になる場合もある。 |
特長 | 修繕資金需要に応じて積立金を徴収する方式であり、当初の負担額は小さく、多額の資金の管理の必要性が均等積立方式と比べて低い。 |
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留意点 | 将来の負担額を前提としており、計画どおりに増額しようとする際に区分所有者間の合意形成ができず修繕積立金が不足する場合がある。 |
大きなポイントは「中期的な修繕計画を鑑み、必要な工事項目に絞り込むこと」「工事費用の積算を見直し適正な工事費用を見積もること」です。