大規模修繕工事

大規模修繕工事は、実際の工事例では、第1回目が12~13年、第2回目が24年前後、第3回目が35~40年が多いようです。 必ずしも10年に1回必要というのではなく、建物の劣化具合によって異なります。ただし、どこの部位をどの程度のコストをかけて、どこまで改修するかは、 大規模修繕工事前の建物劣化診断を実施することをお勧めします。

また、築30年以上のマンションの多くは、修繕積立金が不足しております。大規模修繕工事を行う余裕のない管理組合が多いのも、事実です。 修繕積立金の資金不足についても、一時金の拠出、借入、工事時期の見直し等により、解決することが出来ます。 重要なことは、長期修繕計画の見直しを定期的に行い、建物点検を随時、実施していくことだと思います。 詳細については、国土交通省のマンション管理サイトをご参照ください。 以下、参考になる大規模修繕工事の概要を記載します。

専有床面積当たりの修繕積立金の額

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階数/建築延床面積 平均値 事例の3分の2包含される幅
15階未満 5,000m2 218円/m2・月 165円~250円/m2・月
5,000m2~10,000m2 202円/m2・月 140円~265円/m2・月
10,000m2以上 178円/m2・月 135円~220円/m2・月
20階以上 206円/m2・月 170円~245円/m2・月
均等積立方式

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特長 将来にわたり定額負担として設定するため、将来の増額を組み込んでおらず、安定的な修繕積立金の積立てができる。
留意点 修繕資金需要に関係なく平均額の積立金を徴収するため、段階増額積立方式に比べ、多額の資金を管理する状況が生じる。 均等積立方式であっても、その後の長期修繕計画の見直しにより増額が必要になる場合もある。
イメージ 下図参照
築後30年間に必要な修繕工事費の戸当たりの総額522万円について、修繕積立金を、30年間均等に月額14,500 円(年額174,000 円)積立てて確保する場合を想定
段階増額積立方式

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特長 修繕資金需要に応じて積立金を徴収する方式であり、当初の負担額は小さく、多額の資金の管理の必要性が均等積立方式と比べて低い。
留意点 将来の負担額を前提としており、計画どおりに増額しようとする際に区分所有者間の合意形成ができず修繕積立金が不足する場合がある。
イメージ 下図参照(修繕積立基金を併用した場合)
築後30年間に必要な修繕工事費の戸当たりの総額522万円について、購入時に修繕積立基金を36 万円徴収し、初年度の修繕積立金を月額6,000円(年額72,000 円)とし、5年置きに月額3,000 円ずつ値上げして、26~30 年目には月額21,000 円(年額252,000 円)まで増額して確保する場合を想定

大規模修繕の流れ

大きなポイントは「中期的な修繕計画を鑑み、必要な工事項目に絞り込むこと」「工事費用の積算を見直し適正な工事費用を見積もること」です。

大規模修繕の実施状況

●大規模修繕実施状況

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実施した 未実施 不明
外壁塗装等 鉄部塗装等 屋上防水 給水設備 排水設備
52.8% 59.9% 51.6% 35.2% 25.9% 20.0% 12.5%

●大規模修繕の平均実施時期

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外壁塗装等 鉄部塗装等 屋上防水 給水設備 排水設備
11.8年 8.7年 11.5年 13.7年 14.8年
大規模修繕の工事費調達等

●工事費用の調達方法

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修繕積立金 一時徴収金 借入金
(公的金融機関
借入金
(民間金融機関)
その他 不明
75.8% 3.4% 4.8% 5.4% 3.8% 23.0%

●建物診断の実施状況

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実施した
マンション管理業者に依頼 41.4%
修繕工事請負業者のサービス 9.8%
建築士事務所に依頼 12.6%
調査・診断専門業者に依頼 10.7%
マンション保全診断センターに依頼 0.4%
マンションドックに依頼 0.1%
依頼先は不明 0.7%
調査・診断は行わなかった 2.5%
不明 22.1%
診断のレベルと方法

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主な目的 調査方法 調査対象
予備診断 不具合の早期発見・劣化診断の初動調査 目視調査 外壁等目視が可能な範囲
1次診断 現状把握・劣化の危険性の判断 目視調査・軽微な機器 設計図書・外観
2次診断 劣化の危険性の判断、改善の要否の判断 非破壊試験・微破壊試験 共用部分
3次診断 より詳細な診断評価 局部破壊試験を伴う 共用部分に加え専有部分

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